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ToD MSX の *特に気になる* 問題点

 MSX版ドルアーガ(ToD MSXと表記)の特に気になる点を挙げてみた。あくまで、「特に」ね。あくまで。
 なお、口調が荒いが気にしないように(まて)。


敵との交差音がない

 MSX版は音に関して泣ける事が多いが、これもその一つ。ナイトと斬り合った時のキンキンという音や、ローパーと交差した時のぶーんという音などがないのである(倒した時の音は流石にある)。なんとも寂しいことではないか。なぜ省略したのか?


歩かなくてもダメージを与えられる

 アーケード版には剣を出した状態で壁に向かって足踏みした状態でもナイトなどを倒せるというテクニックがあった(FC版ではできない)が、MSX版はその上をいく。なんと剣さえ出していれば止まっていてもダメージを与えられるのである。アーケード版のように何度も交差する意味がないように思えるのは私だけだろうか。

 MSX版は対ナイト戦のバランスが悪いので、着実に装備を入手しているとナイト戦で負ける事はほとんどない。リザードマンだろうがレッドナイトだろうが重なりナイトだろうが楽勝である(おい)。わざわざ背中を突くまでもない。
 何度も交差する意味がないように思えるのは私だけだろうか。

 ついでに言うとギルには背中にも攻撃判定がある。背中向いたままドラゴンを倒したりできる。……どんなんやねん。


ギルの当たり判定が異様にでかい

 もちろんギルからの攻撃時判定ではなくて、ギルがやられる方の判定である(苦笑)。

 たとえばゴーストが通路を通っている時に剣だけ出して倒すというテクニックがアーケード版にはあるのだが、MSX版では不可能。剣がゴーストに当たる頃には呪文がギルに当たっている(苦笑)。そのためゴーストを倒すには側面受けで呪文を受けながら倒さないといけない。

 また、呪文を柱の間でかわすのはドルアーガではごく普通に行われるテクニックだが、これも喰らい判定がでかいせいで少々慣れが必要だ。要するに、シビア


スライムが強い

 いや、アーケード版でもスライムはそれほど弱いわけではないのだが、MSX版は反則的に強いのだ。
 スライムには「移動中は倒せない。攻撃しに行くと返り討ちにあう」という俗説があるのだが(実際は移動中だと返り討ちにあいやすいだけ)、どうもMSX版の制作者はその俗説をまともに受け取った上に増幅したらしく「移動直前のぷるっと震えた段階でも必ず返り討ちにあう」ように変更されている。

 なんちゅー変更かけとんねん

 そのためMSX版のスライムにはそれこそ「腫れ物に触るような」扱いが必要となっている。数匹がほとんど同じブロックの辺りを動き回っていたりすると、もうとてもじゃないが近づけない。散らばるまで待つか迂回するしか手が無くなる。ドルアーガってそういうゲームだったか?(苦笑)


マジシャンの動きがおかしい

 まず、これを見て欲しい。ギルの左上。

遠方よりの使者(まて)

 どこに出現しているんだお前は。

 アーケード版では出現位置を16箇所に限定していてその中からランダムで選ぶようになっているのだが、MSX版はそうではないらしい。
 どう考えても届かないような場所にたびたび現れるのだが、どうやって倒すのだろう?
 答)近くに現れるまでひたすら頑張る(苦笑)。

すぐそばのメイジ

 これも洒落にならない。歩いている時に斜め前に出現されると、もろ真横から呪文を撃たれるのである。そんなものかわせるか馬鹿者

 極めつけはこれ。

背中を向けたメイジ

 おっさんどっち向いとんねん

 MSX版は出現位置だけでなくマジシャンの向きまでランダムで決めているので(アーケード版は場所ごとに向きを決めている)、目の前に出現していながら背中を向けていたり横を向いていたりするのだ。
 そのせいで一度 FLOOR 5 で宝箱を出せないまま時間切れによりウィスプにやられた事がある(苦笑)。側面受け状態で呪文を待っているのにちっとも呪文を撃ってきてくれなかったのだ。ここまでひどいのは滅多にないとは思うが。

 ちなみにこれには例外がある。ウィザードだけはちゃんとギルの方を向いて現れるのである。なんでメイジ達はそうプログラムしなかったんだろう。謎。


 さらにマジシャンにはとんでもない問題がある。なんと出現から再出現までの「間」がほとんどないのである。
 当然同じマジシャンがたびたび連続出現してしまうので、他のドルアーガをプレイした事のある人間にはたった一人のマジシャンが二人以上いるかのように錯覚してしまう(汗)。
※どうもブロックの中心にいる時にランダムで出現するかどうか決めているような感じがある。ちなみにアーケード版は「間」の時間をある程度ランダムで決めている。

 ドルアーガには「柱の間でしばらく待ってからマジシャンを一気に出現させる」という有名なテクニックがあるが、これはあくまでその「間」を利用したもの。というわけでMSX版では意味をなさない。歩き回って戦うしかない。
 ほんっとーに、制作者はドルアーガをやった事があるのだろうか?


 ところで、「間」がないという事はゲームスタート直後からマジシャンが出現するという事を意味する(ドラゴンもいきなり火を噴いたりする)。そのためぼーっとしていると(いや、してなくても)スタートからわずか0.5秒で死亡するはめになる。

0.5秒ですぐあの世
呪文を喰らって死んだギル。残りTIMEに注目! 210しか減ってないぞ……。

「こちとら筋金入りの艦載機乗りだぜ! 甲板から車輪が離れた瞬間から全開戦闘ができるんだよ!」

 というぐらいの気概がないと、MSX版はプレイできない(おい)。


ゴーストの動きが異常

 おかしい、というレベルではない。異常。アーケード版と全く違う。

 アーケード版のゴーストは通路をいったりきたりしながら呪文を放つだけの比較的楽な相手だった。ところがMSX版のゴーストははっきり言って最強の敵である。なぜか?

 動きが非常にいやらしいからである。いったりきたり? なんだそりゃ? MSX版のゴーストはそっちゅう方向転換、時々突然反転、ひょこっとワープ、といった感じにとにかく読みにくい動きをする。
 なんと、時々ワープせずに壁を通り抜けるという荒技までやってのけるである。……バグだろう、それは。

ワープしないワープ
壁などなかったかのように、ゆうゆうと通り抜ける。なんでやねん。

 また、アーケード版と違い方向転換直後でも呪文を放ってくるので、アーケード版の対ゴースト二大テクニックの一つ「2ブロック内に誘い込む」というのが使えない。もう一つの「ゴーストの通り道に剣をちょこんと出しておく」というものは前述の通りギルの喰らい判定がでかすぎて使えないので、とにかくMSX版のゴーストは倒すのがやっかいである。

 倒すのが難しく、呪文を連射し、読みにくいアルゴリズムで近づいてくる。これを最悪と言わずしてなんと言おうか。
 っていうか、そもそも定番テクニックがことごとく使えないドルアーガってどんなドルアーガだ、全く。

 どうも見ていると、以下のアルゴリズムで動いているようである。

  1. XかYの同軸にギルがいる時に普通の壁にぶつかるとギルのいる方へ方向転換する。
  2. 同軸にギルがいない時に普通の壁にぶつかると、必ず90度方向転換する(左か右かはギルに近い方を選ぶ)。
  3. 方向転換した際に、目の前に壁があるとワープして通り抜ける。
  4. 外壁にぶつかると必ず反転する(ギルのいる場所は考慮しない)。

 アーケード版とはっきり違うのは2番目のアルゴリズム。これのせいで「いったりきたり」という特徴がなくなり、やたらと方向転換するようになってしまっている。
 そして問題のバグだが、おそらくこれは4番目のアルゴリズムで方向転換した際にワープチェックを行っていないのが原因なのだろう。これだけ再現性が高い(というか、頻繁におきる)バグを放置している辺りがMSX版のMSX版たるところだと私は思う。

 ちなみにMSX版のゴーストは馬鹿な(としか言いようがない)4番目のアルゴリズムのせいで「外壁と反対側の外壁までの間に普通の壁がない通路に入ると、永久にその通路をいったりきたりする」という現象を起こしてくれる(ドルイドゴーストは自ら普通の壁を壊しまくるので、そっちゅうこの現象を起こす)。こうなるとギルによる誘導は不可能だ。
 そのせいだかなんだか知らないが、MSX版はなんとフロア17の宝箱出現条件が変更されている(壁を三回壊す)。「ゴーストを5回ワープさせる」事がもしかして問題になったとか、言わないでほしい。


ドラゴン族の怪

 はじめに断っておくが、これはリザードマンではない。

クォックスです。

 これがMSX版のクォックスである。

 なんで二本足で立っているのだ?

 MSX版のリザードマンは色が変更されて灰色になっている。……クォックスとの区別がつきにくいからとか言わないでほしいのだが。
 それにしても昔のティラノサウルスの想像図を思い出してしまったのは私だけか?
 ちなみに正面向きはこれ。

クォックスやっちゅーの

 訂正しよう。まだゴジラかミニラの方がいくらか似ている

 MSX版のドラゴン族は弱い。とても弱い。なぜかというと、ギルが触れてもHPが全然減らないからである。って、どんなドラゴンだ馬鹿者
 ということは、ドラゴンの炎を無力化するブルーネックレスを手にすると最早ドラゴン族にギルを倒すすべがなくなるということだ。どんなドラゴンだ馬鹿者

 おまけにアーケード版と違いMSX版はドラゴンスレイヤーなどなくてもドラゴン族にダメージを与えられる。FLOOR 14 のドラゴン・ポットに全く価値がないように見えるのは私だけだろうか。

 さらにとどめ。下を見て欲しい。

熱くない炎

 ドラゴンブレスの根元に当たり判定がないのである。なので、2ブロック内の狭い範囲に誘い込むと簡単に倒す事ができる(ギルは歩かなくてもダメージを与えられるからね)。

 ゴーストかお前は。


消えるべきアイテムが消えない

アイテム一覧

 左から4番目のいかにも毒々しいポーションはなんだか分かるだろうか? ドラゴンスレイヤー(赤い剣)の右にあるポーションである。

 実はこれ、フロア17のポーション・オブ・アンロックなのだ。

 ドラゴンスレイヤーを取るためのアイテムだが、なんと取っても消えないのだ(おい)。バランスも対象アイテムを取っているのに消えてくれない。
 極めつけはポーション・オブ・デス。ギルが死んでも消えない。効果も消えない。……ポーション・オブ・キュアーを取らないとTIMEのへるスピードが元に戻らないのである。正に「死の薬」と言うに相応しい。

 なにを考えてるんだ、何を。>制作者

 アーケード版のキャンドルはあるフロア(要するに別のキャンドルかパーマネントキャンドルが出現するフロア)に来ると消えるようになっているのだが、MSX版は消えずに残っている(!)。たとえばフロア6で取ったキャンドルはフロア11を過ぎてもアイテム欄に居残っているのだ。
 最初これに気づいた時かすかに「ラッキー!」と思ったのだが、フロア12にたどり着いてみるとゴーストが見えなくなっていた(苦笑)。結局フロア11のキャンドルは取らなければならないのである。ちなみにアイテム欄には2つ持っていても1つしか表示されない。

 だから、一体なにを考えてるんだ、何を。>制作者

 アーケード版のバランスは使い回しができるようになっている。たとえば(通常ハイパー・シールド用の)フロア32のバランスをフロア37のハイパー・ヘルメットのために使う、という事ができるのだ。なので、フロア44のバランス(取りにくい)をあきらめてフロア32やフロア36へ取りに戻る、という事ができた。
 だが、MSX版はそもそもバランスが消えない事からわかるように、それぞれのバランスが別々に扱われている。それぞれ取らないといけないのだ。


いくつかのBGMが省略されている

 なんとフロア57、59、60の専用BGM2曲がカットされている。演出というものを理解してないのかと私は言いたい。そうでなくてもメインBGMが貧弱なのに、ドルアーガと戦うときにまでそんな音楽聞かされるなんて――全くたまったもんじゃない。

 ついでながら、なぜかドラゴンのBGMも最後の4小節だけが省略されている(ドラゴンのBGMは16小節から成る)。なぜ? わけわからん。


エンディングがない

 ふざけるなと、私は言いたい。

クリア直後 なぜタイトルへ?
ファンファーレ(?)がなって感動のエンディングへ……と思いきやこの状態で画面停止。そして剣ボタンを押すとタイトル画面へ直行する。エンディングは? エンディングはどこへやった!

 ついでに言うとランキング入力もないので、あの名曲がカットされている。いい加減にしてくれ


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