今からちょうど二十年前、1984年にナムコから「ドルアーガの塔 The Tower of Druaga」というゲームが発売されました。
アーケード(ゲームセンター)版でマニア達に衝撃を与えたあと、ファミリーコンピュータに移植されてヒットした本作品ですが(FC版がオリジナルと思われている方もまだまだ多いでしょう)、他にも数々のゲーム機やパソコンに移植されてきました。
デザイナーのやり残した事を盛り込んでリメイクされたものの、未だに賛否両論がある PC-Engine 版、システムがかなり変わってしまったゲームボーイ版、「裏」「闇」で三回おいしい完全移植のプレイステーション版などなど、実に様々な移植がありましたが、かつてホビーパソコンとして一世を風靡した MSX パソコンにもなぜか移植されました。1986年のことです。
この MSX版、おそらく数ある移植ドルアーガの中でも最低の移植度だと思います。幸いな事は、たぶんあまり売れなかったであろう事。(^^;) なにしろドルアーガ好きで MSXユーザーの私が雑誌広告をみて購入を避けたぐらいですから。
実際ネットを見回ってみても MSX版を取り上げているページは非常に少ないのです。
元々 MSX はハードウェアスクロール機能がない事もあってドルアーガのような「任意スクロール型アクションゲーム」は非常に苦手なのです。誰が見たってドルアーガを MSX に移植するなんて無謀以外のなにものでもなかったのに、やっちゃったわけで。おまけに金か技術かやる気のいずれか(あるいは複数)が決定的に足りなかったようで、そりゃまともなゲームになるわけがない。
そもそも、この MSX版はアーケード版の移植ではありません。ファミコン版の移植です。そう断言できるほど様々な点がファミコン版と同じになっています。ええ、よけいなところまでファミコン版に合わせてあるのです。ファミコン版を移植した移植ドルアーガなんてこいつぐらいだと思います。
というか、MSX版の制作者はアーケード版を知らないんじゃ?(苦笑)
ファミコン版はよくできています。ファミコンのハードウェアも強力なわけではないので、ドルアーガを移植するのは大変だったと思います。MSX版の開発にあたって参考にするのはむしろ当然だったかもしれません。が、
どうせならちゃんとゲーム性も移植してくれればよかったのに。
MSX版はゲーム性がぼろぼろです。こんなゲーム60階までつきあう必要はありません(やったけど)。音も貧弱です。最初小学生の作った曲データかと思いました(まて)。ついでにグラフィックもぱっとしません。MSX版はなんとグラフィックを一から描きなおしてあるのですが、一部を除いてどうにも「恰好が悪い」「ぶさいく」「センスがない」。多くの人は雑誌広告でこの新グラフィックを見て失望したでしょう。
さらに言うと、バグも多いんだよねぇ。救いがないな、全く。
そんなぼろぼろの MSX版を久しぶりにやってかなり頭に来たので(おい)、こんなページを作ってみる事にしました。気力が続かなくてこの程度に収まってしまいましたが、MSX版のとんでもなさが少しでも伝われば幸いです(まて)。