望美：「これにしよっかなぁ。こっちの方がいいかなぁ。……やっぱり手作りの方がいいのかしら」
南子：「あ〜神崎の分はこれでいいや。これできまり！（ぽいっ）」
望美：「即決めたわね（笑）。今ちょっとでも考えた？（笑）」
南子：「い〜のい〜の。ど〜せ神崎はバレンタインなんて忘れてるんだから」
望美：「修クンの場合最初から覚える気がないんだと思うわ（苦笑）」
南子：「京介とはえらい違い。あの子はあの子で気を使いすぎだけど」
望美：「あ〜面倒臭い。こういうのって苦手なのよね」
南子：「だったらあげなきゃいいのに（笑）。なんだかんだいってちゃんと毎年凝ったのをあげてるんだから」
望美：「だってバレンタイン前になったら、あの子の目が訴えかけるんだもの（笑）」
南子：「さ、さすが沢っち（笑）」
神崎：「……おや？ いらっしゃい。なんだ二人して突然」
望美：「チョコの宅配よ（笑）」
神崎：「チョコレート？ そうか、バレンタイン・デーか」
南子：「ほら忘れてる（笑）。毎年毎年ちゃ〜んと義理チョコあげてるのに忘れるな〜（笑）」
神崎：「そんな面倒臭い行事はいちいち覚えてないな。まあ、上がれよ．お茶ぐらいは出そう」
望美：「……いい匂いね。何か食べてた？」
神崎：「うん？ チョコレートケーキを作って食べていたんだが」
南子：「…………」
望美：「…………」
南子：「……バレンタインに、自分でチョコレートケーキ作って食べるな〜！！！ 特売チョコですましたあたしは一体なんだ〜！」
神崎：「誰も義理チョコに手間隙かけろとは言わないが（苦笑）」
南子：「義理チョコでも目の前に手作りチョコがあったら惨めになるわよ…（泣）」
神崎：「そんなものか？」