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雪の中に眠る 〜気ままに批評〜


 おなじみ土ころびさんの作品から、「雪の中に眠る」の批評です。本作品は Laverさんからのリクエストという事で、テーマ指定作品となりました。
 テーマは、雪。
 実は土ころびさんが「雪」という題材をどう選び料理するのか、非常に注目していたのですが。

 ごめんなさい、やられました。(_ _)

 くっそー、思い切り辛口批評書こうと思ってたのにこの完成度じゃ書けないじゃないかー(まて)。
 というわけで今回はあまり辛くない批評です(たぶん)。どう受け取るかは人によるかもしれませんが(こらまて)。


「雪」というテーマを出されてマリンスノーを持ってきた段階でもう半ば勝ったも同然ですね。雪と言われて素直に雪を描いていたら喜々としてツッコミを入れていたところだったのですが、いやーもーやられました(笑)。
 さらに止めの演出として、潜水スーツを着た救助者に天使の姿をだぶらせた。うまい、うますぎる。というかキマリすぎ(笑)


 つかみもうまいです。ホントなめらかに引き込まれます。そしてマリンスノーへあこがれる理由を入れて、ふと恋人の事を思い出して、恐怖が訪れ、声に助けられ、そしてアダムスに助けられる。そのアダムスに天使と恋人を重ねる。

 くっそー構成もうまいわ(笑)。どこへツッコめと?<いや、誰も無理にツッコめとは言ってないから


 あえて気になる所を挙げるとすれば(結局ツッコむのか)、マリンスノーにあこがれた理由と雪を怖れた理由の説明部分ですね。

「それはさておき」はまずい。言葉と言葉の接着が悪いですね。死の危険が迫っているのにマリンスノーを眺める事を選んだ人なのですから、「それはさておき」なんて妙に冷静で説明口調な台詞を呟いて欲しくない。雪は怖かった。なのにどういう事だろう、マリンスノーには惹かれるのだ。……とまあ、こんな感じでもいいんです。
 極限状態で言葉が心の底から浮かび上がってきているような描写の中で、この「それはさておき」だけが浮いちゃってます。それが残念です。

 あと、マリンスノーにあこがれた事と雪を怖れた事の説明そのものですが、流れが悪い上に視点がぶれていますね。特に雪が怖い理由。だらだら書かずに何がどう怖かったのかを具体的に「一つだけ」書くべきです。
 なぜ一つだけなのか。二つ三つと書くと霞むからです。言うなれば一点集中ですね。「君は目が綺麗だね。唇も素敵だ。髪もつやつやしている」と、「君は目が綺麗だね。まるで宝石のように僕を引きこむよ」と、どちらが印象強く感じますか?
 ちなみに「君は目が綺麗だね」だけだとちょっと物足りないわけです。「どう綺麗なのか」具体的に書いた方がいい。ほら、可愛いねって言ったら「どう可愛い?」って返されるのってよくあるパターンでしょう?(笑) この辺りどう実際にさばくのか経験豊富な方に是非聞いてみたいものですが(まて)。


 今回はこんな所です。はて、こんな批評でもお役に立ちますかしらん(笑)。
 本作品のクォリティがめちゃ高かったので、次の「音」もひっじょーに期待しています(とプレッシャーをかける(爆))。

 追伸。この批評を読まれた方へ。この批評に対する批評もご自由にどうぞ(笑)。


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