[鶏小屋の入口に戻る]

「昔語り」批評


 土ころびさん作「昔語り」に対する批評です。今回は「アメとムチ」に分けてみました(まて)。


「アメ」

 雰囲気がいいですね。いわゆる「すくらっぷ」的な雰囲気が全文を通して流れているのは読んでいて心が和みます。
 また起承転結がしっかりしていますし、言いたい事がきちっとまとまっていてますね。ショートショートの基本を押さえているのはお見事です。

 また前半と後半で文体や一人称がさりげなく変化するのもうまいと思います。「ボク」と「僕」の変化はさりげなさすぎてちょっと分かりづらいかもしれませんが、これはこれでいいでしょう。


「ムチ」

 起承転結の転にあたる部分、つまり後半部分の頭ですが、文章が読みづらいです。どうも言いたい事が分かりづらい。「転」の部分は変化という刺激を読み手に与える重要な部分だけに、読み手をもたつかせてはいけません。書き手自身どう書いたらいいのか右往左往しているようにも見えるのですが、ここをきっちり書き上げないと魅力が半減します。がんばって下さい。

 結びの文で唐突に「青い星」という語句が出るのは少々問題があったかも。できれば宇宙に進出している時代まで語り継がれているという事を印象づける言葉が欲しかったですね。もっともテンポを殺さずにそういう要素を組み込むのは難しいように思われるので、下手に入れて失敗するよりは良かったかもしれませんが。


 というところでしょうか。気まま批評どうでしたか? 役に立つかどうかあやしいものですが(爆)。
 この批評を読まれた方へ。この批評に対する批評もご自由にどうぞ(笑)。


[鶏小屋の入口に戻る]