神崎:「久し振りに変わったブラウザの見え方を示そう。影鷹だ。Java で書かれているという点でも少々珍しいかもしれない」
京介:「名前が日本語だね。日本製?」
神崎:「その通り、日本人が開発している。そして、これはある意味とても日本人らしいブラウザだ」
京介:「?」
沢っち:「わっ!」
京介:「た、縦書き?」
神崎:「そう。影鷹は珍しい縦書き表示のブラウザだ。長音記号などもちゃんと回転させて表示してくれる。残念ながら『っ』や『ゃ』のような文字はフォントの関係で不自然に表示されるが、それを除けば実にうまく表示してくれる」
南子:「あっこれいい!」
神崎:「この通り、影鷹が最も威力を発揮するのは言うまでもなく小説系のサイトだ。HTML をまるで書籍のように描いてくれる」
神崎:「英文など半角文字はこの通り横倒し表示になる。このあたりも書籍っぽい。あと、IE以外ほとんど対応されていない ruby要素にきっちり対応しているのも嬉しい。作者のこだわりを感じる」
京介:「いいところばかり……ってわけじゃないよね?」
神崎:「もちろん。普通サイト制作者は縦書きなんて想定していないから、レイアウトがとんでもない事になるケースが少なくない。またフレームに対応していないのも少々辛いところだ。また縦書き変換の関係で描画も遅い」
南子:「あのさ、画像とかはどうするの、これ?」
神崎:「ものによっては回転して表示する。これを見てくれ」
神崎:「横倒しになっていたりなっていなかったりするだろう? 影鷹は画像サイズや縦横比などで回転させるかどうかを自動的に判断する仕組みになっているんだ。この例ではわかりにくいが、極力レイアウトを崩さないための知恵だな」
京介:「掲示板に書き込む時はどうなるの? 縦書きで入力とかするのかな?」
神崎:「まさか(笑)。この通り、小ウィンドウが開いて入力するようになっている。確かに入力まで縦書きモードでできたら面白いのかもしれないが、無茶だろうな」